火災前の首里城正殿
火災前の首里城正殿
沖縄における「首里城」は、現在「首里城跡」として世界遺産に登録されています。

琉球王国の王城であった首里城は、沖縄を代表する観光地でもありましたが、2019年10月31日に首里城の正殿を含む6棟が火災によって全焼してしまいました。

しかし、その後復興は猛スピードで進んでいて、2021年10月1日からは有料区域も再開場されるなど、多くの修学旅行生や観光客が再び訪れるようになってきています。

復興工事中の首里城
復興工事中の首里城

正殿の完成は2026年を予定していますが、それは逆に「今しか見れない首里城の光景」を目の当たりにするチャンスと言えるかもしれません。

この記事では、そんな「首里城の歴史と魅力、復興までの道のり」について解説していきたいと思います。




首里城とは?

首里城 御座床
首里城 御座床

首里城は、琉球王国の王城であり、14世紀末頃に築城されたのではと言われています。

当時の沖縄は、「琉球」と呼ばれ、3つの王国が支配していました。

南山王国」「北山王国」、そして「中山王国」です。

この時代は「三山時代」と呼ばれています。

首里城は、このうちの中山王国の首府としてっ送検されたと考えられているのです。

1429年に尚巴志(しょうはし)が3つの王国を滅ぼし統一すると、首里城を大きく拡張していったとされています。
ペリーが乗った黒船が来航 1853年にはペリーが乗った黒船が来航し、首里城に入り開港を求め、これを機に翌年「琉米修好条約」が締結されたのです。

明治という時代に変わると、琉球王国は「琉球藩」と名称を変え、日本の統治下となります。

1879年には、沖縄県へと名称が移り変わり、首里城は日本陸軍の軍営や学校として利用されましたが、老朽化によって崩壊寸前の状態だったそうです。

太平洋戦争では、首里城に陸軍の総司令部が置かれますが、アメリカ軍の激しい攻撃によって多くは破壊されてしまいました。

その際に琉球時代からの多くの宝物や文書などが略奪され、今だ一部以外は行方不明となっているのです。

27年間もの間、アメリカ軍による沖縄統治が続きましたが、1972年5月15日に沖縄が日本に返還されたのです。
2000円札
首里城は、2000年の九州・沖縄サミットの夕食会場として使われたり、2000円札に守礼門が描かれるなど、近代でも沖縄のシンボルとして親しまれてきたのです。


実は4度も焼失している

2019年に全焼してしまった首里城ですが、実はこの火災を合わせて4度焼失しています。

昔の首里城
昔の首里城 日経新聞より

1453年に王位継承を争う内乱で全焼し、1660年にも失火により全焼、1945年のアメリカ軍の攻撃でも全焼しています。

しかし、そのたびに琉球、沖縄の人たちの強い意志と力によって再建されてきたのです。

現在も復興が急ピッチで進んでいて、2026年には再び鮮やかな朱色を纏った首里城正殿が我々の目の前に姿を見せることでしょう。




首里城の観光地としての魅力

首里城は、前述した通り沖縄を象徴する城であり、その歴史は琉球王国と沖縄の歴史そのものであるとさえ言えます。

現在は復興中とのことで、「じゃあ観光はできないのかな」と思っている人も多いかもしれませんが、冒頭でも挙げた通り有料区域も再開場されているので、十分に満喫することが可能です。

それでは、ここからは観光地としての首里城の魅力を挙げていきましょう。

首里城公園

首里城公園は、首里城だけでなくその周辺の守礼門や円覚寺、円鏡池といった施設を含む区域全体のことです。
首里城公園

パワースポットとしても有名ですし、観光する箇所も非常に多いので、存分に琉球王国の雰囲気を味わうことができるはずです。

守礼門、園比屋武御嶽石門、歓会門、瑞泉門

朱色に塗られた見事な守礼門は、絶対に観ておくべきスポットです。

他にも同じく鮮やかな朱色が施された瑞泉門、本土とは全く異なる建築物としての雰囲気を持つ園比屋武御獄石門、歓会門なども見ごたえがあるはずです。

この中では守礼門が知名度が高く、首里城の正門という認識の人が多いのですが、実は正門は守礼門ではなく歓会門が正門なのです。

門の左右に設置された狛犬を思わせる獅子像もぜひチェックしておきたいポイントの1つです。

ちなみに、瑞泉門は首里城の第二の門とされています。

守礼の門 守礼の門 園比屋武御獄石門 園比屋武御獄石門 歓会門 歓会門 瑞泉門 瑞泉門

幻想的なライトアップイベント

首里城の正殿は今も再建中ですが、日没後に守礼門や歓会門、久慶門といった場所でライトアップが行われています。

幻想的な雰囲気が非常に魅力的です。

せっかく首里城を刊行するならば、日中と日没後の両方を楽しむことをおすすめします。

守礼の門ライトアップ守礼の門ライトアップ 歓会門ライトアップ歓会門ライトアップ 歓会門ライトアップ久慶門ライトアップ




西のアザナ(いりのあざな)

意外と西のアザナまで足を伸ばす人は多くないのですが、首里城を訪れたらぜひこの場所に立ち寄るべきです。

首里城の中で一番のビューポイントとなっているのです。

夕方であれば東シナ海に沈む夕日を堪能できますし、日中も沖縄の青い空と沖縄市街や那覇空港を発着する飛行機も見ることができます。

ちなみに、西のアザナには「島添アザナ」という別名もあります。

西のアザナ西のアザナ 西のアザナ西のアザナ 西のアザナからの風景西のアザナからの風景

何もないが最強のパワースポット「京の内」

首里城 京の内
首里城 京の内

首里城内で最も高い場所に位置する「京の内」は、首里城の中で最強のパワースポットと言われています。

それもそのはず、「京の内」という言葉自体が霊力のある聖域という意味があるのです。

石垣に囲まれているだけで他に何もないのですが、訪れてみるべき穴場スポットだと言えるでしょう。

首里森御嶽(すいむいうたき)

首里森御嶽
首里森御嶽

さらにもう1つ訪れておきたいスポットが「首里森御嶽」です。

天上の神が最初に降り立った場所とされていて、パワースポットとして非常に有名です。

この場所を中心にして首里城が造られたとさえ言われています。

首里城復興展示室

世誇殿や女官居室の近くには、「首里城復興展示室」があります。

ここには、首里城復興の取り組みや想いなどがパネルになって展示されています。

また、実際に正殿に置かれていた装飾品なども近くで見ることができます。

展示室を訪れれば、きっと「復興してほしい」という気持ちが強まるはずですし、「復興したらまた来たい」という思いが芽生えることでしょう。
首里城復興展示室

レストランで沖縄名物を堪能できる

首里城という琉球王国の雰囲気を肌で感じるだけでも最高ですが、場内にあるレストランでは沖縄名物も堪能できます。

首里城レストラン ソーキそばタコライス、沖縄産のオリオンビールなどを味わうことができます。

また、カフェではコーヒーやアイスクリームを味わいながら那覇の街を一望することができます。


首里城周辺の雰囲気と沖縄名物によって、「沖縄」をより深く味わうことができるはずです。




御朱印好きにはたまらない各スポットの御朱印

ここ数年かなり「御朱印」が人気ですよね。

御朱印

パワースポットの御朱印を集めることで、運気も上昇しそうですし、守っていただけるような感覚を持つことができることが人気の理由だと言えるでしょう。

首里城でも、「首里杜 御朱印首里杜 御朱印 」「龍樋 御朱印龍樋 御朱印 」「京の内 御朱印京の内 御朱印 」「円覚寺 御朱印円覚寺 御朱印 」「園比屋武御嶽石門 御朱印園比屋武御嶽石門 御朱印 」「弁財天堂 御朱印弁財天堂 御朱印 」「天水龍王御神 御朱印天水龍王御神 御朱印 」といった各スポットの御朱印が販売されています。

沖縄随一のパワースポットである首里城の御朱印は、御朱印好きでなくても手に入れたくなりますよね。

首里城入場料

首里城公園より

住所
〒903-0812
沖縄県那覇市首里当蔵町3丁目1−1 首里城正殿
首里城公園管理センター
TEL:098-886-2020(対応時間 AM 9:00~PM 17:00)

まとめ

今回は、「首里城の歴史と魅力、復興までの道のり」について解説してきました。

首里城は正殿を含む6棟が2019年に火事によって全焼してしまいましたが、急ピッチで復興が進んでいます。

正殿は2026年に完成予定ですが、それ以外の場所は観光することができます。

首里城の正殿以外にも様々な観光スポットがあり、琉球の面影を存分に味わうことができるはずです。

沖縄に行った際は、ぜひ首里城へと足を運んでみてはいかがでしょうか?

那覇空港から首里城はどれぐらい

21 分 (8.2 km) 「国道330号」経由